
2026年2月10日から13日にかけて、筑波大学総合交流会館および学内各所において、芸術系・東弘一郎助教が担当する「総合造形制作演習Ⅰ・Ⅱ」および「現代美術表現演習」の履修生による成果展「半為生成」を開催しました。
本展のタイトル「半為生成」は、國分功一郎氏の著作『中動態の世界』などから着想を得ています。「する」か「される」かという二項対立では捉えきれない行為のあり方を示す「中動態」という概念を軸に、制作という行為を、作者が完全にコントロールするものでも外部に委ね切るものでもない、その狭間に立ち現れる生成の過程として捉え直すことを目指しました。会場には、素材・他者との協働・展示場所といった多様な要素が複雑に関与し合い、作者の意図を超えて「半ば為され、半ば生成されていった」作品が並びました。鑑賞者は完成した造形物のみならず、周囲の環境との相互関係や制作プロセスをも含めた、重層的で多様な表現に触れることができました。
会期中の特別プログラムとして、本学総合造形領域の卒業生であり、現代美術家として国内外で活躍する片岡純也氏をゲストに迎え、講評会を実施しました。片岡氏は学生一人ひとりの作品と真摯に向き合い、専門的な知見にもとづく鋭くも温かい助言を贈ってくださいました。第一線で活動するアーティストとの対話を通じ、学生たちは自身の表現を客観的に見つめ直すとともに、制作における「生成」の瞬間を再確認する貴重な機会を得ました。
四日間の会期を通じて、多くの来場者が学生たちの探求の成果と向き合う場となった本展は、作品が作者一人の手によるものではなく、さまざまな要素との関わりのなかで生まれるという豊かさを再発見する、意義深い締めくくりとなりました。


