他転車

《他転車》は自転車がモーターによって物理的に回転する装置です。
自転車の歴史を調べてみると、かつて自在車や自輪車と呼ばれていた装置だということがわかります。
自転車という言葉は竹内寅次郎という男が作り出したブランド名で、「転」という感じにはそれほど深い意味が込められていませんでした。
それにもかかわらず、自転車という単語が普及し、一般化していることに違和感を感じました。
自在に動かせる車ならわかりますが、自ら転がる車という言葉にはどうも納得がいきません。
私は「転がる」という言葉に、自転車そのものが回転する姿を想像しました。
自転車を回転させ、私は、本当の意味での「自転車」を一度作り上げることで、この違和感を取り払おうと考えました。
しかし、私が作り出してしまったのは、自らの力で転がる「自転車」ではなく、他の力を受けて転がる「他転車」となってしまったのでした。