東弘一郎研究室 内装プロジェクト

筑波大学 東弘一郎研究室の可動式什器をADD.LIVE Architectsが担当しました。


『重層する』風景を目指して

「研究室」とは、学部や学群の学生が自ら選び所属する、多様な人々を受け入れる器である。
初めて筑波大学を訪れた際、各研究室の框扉越しに見える風景に強く惹かれた。扉越しに垣間見える人の気配や活動が、その研究室らしさを形づくっているように感じた。そこで本計画では、「東研究室」を框扉越しにどのように見せるかを出発点とした。

『重層する』風景とは、多様な活動が単独で存在するのではなく、互いの気配や関係性を感じながら同時に存在する状態を指す。研究室においては、学生のゼミ風景、教授の作業風景、窓外の景色などが、緩やかに交差しながら共存する空間である。

今回、研究室内に大きな三角形の可動式什器「ALF(Azuma Lab Finder)」を設計した。ALFには三角形を貫通する開口を設け、研究室全体を一度に把握できないよう視線を制御しながら、覗き窓のように部分的な風景を切り取る。また、キャスターによって自由に移動できるため、その時々の活動や気分に応じて領域を緩やかに分節し、新たな居場所を生み出す。

框扉の先に、複数の営みや気配が折り重なりながら共存する、『重層する』風景を持つ研究室を目指した。
文章:ADD.LIVE Architects
2025.5 〜 2026.4

家具設計・製作 株式会社あずま工房
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