自転転転転転車

《自転転転転転車》では、自転車の一部分が何度も連なっていますが、この作品では、写真を切り貼りしてカタチを作り変えるプロセスを現実世界で行いました。
鋳金や鍛金などの技法を用い、素材と対話しながら制作して出来たこの不思議な形は、遠目から見たときには画像的な処理を加えられた様に見え、近くから見たときには既成品にはない作り手の手垢が残されています。
100年前にデュシャンが美術の価値観を変容させたように、現代美術は次の時代へと進もうとしています。コンピュータ上なら簡単に重力を無視したり複製したりすることが出来ます。
CGやVR等の技術が発達し、作品自体が現実世界にないものであっても成立するような時代になってきました。
しかしながら現実世界では、コンピュータのように簡単に物質を操ることは出来ません。
この作品はレディメイド的なコンセプトをはらんだ作品であると同時に、手を動かすことで仮想の世界に抗おうとする私自身の挑戦でもあります。